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九州・福岡演劇祭公演 「夏の夜の夢」
2010.11.07 Sunday 11:25
JUGEMテーマ:演劇・舞台
 

「福岡の若い演劇力が集った祝祭」

           
日時:2010年8月29日  18:00〜     場所:ぽんプラザホール

村山雅子(HN: 観世)

鳥のさえずりと(もや)に包まれた森の中に、白い屋敷が立つ。遠くに見えるペーパークラフト調の町並みがきれいだ。3人の職工が現れ、面白くおしゃべりをしながら物語へと導くが、口上の最後に観客に一本締めの協力を頼む。舞台上の3人と観客全員とが「よォーッ、ポン!」と手を叩くと同時に暗転。舞台が始まる。

 九州・福岡演劇祭の企画として、福岡で活動する俳優・スタッフが所属を越えて集まり創り上げたプロデュース公演。シェイクスピア作品を、設定は原作に忠実に、セリフやテンポは現代的にうまく脚色。わかりやすく楽しい元気な舞台に仕上がっていた(脚色:川口大樹)

 まず目を奪われたのが衣裳である(白浜佳月永)。すべて手作りのように見えたが、豪華で美しく、デザインや色、細部へのこだわり、役柄によるバランスも計算されてある。福岡の小劇団公演でここまでクオリティの高い衣裳を見たことがなかったので驚いた。他にも、よくできた小道具(中島信和)やメイク(橋本理沙)、幻想的で美しい照明(荒巻久登)など、堅実なスタッフワークが作品を充分に支える。

 役者陣はどの人も魅力的で演技力にも不安がない。最も印象的だったのは、妖精の王妃タイターニア(濱崎留衣)。アメリカコメディー映画の奥様を見ているようで、貫禄がありながらもかわいらしかった。最も有名な役と言える妖精パック(杉山英美)は、ハツラツさが良かったがずいぶんしっかり者の印象。あまりいたずら好きな感じがしなかった。また、恋人たちのうち男性2人(林雄大、大澤鉄平)の美男ぶりには、登場からハッとさせられたほど。町の職工を演じた6人は、そのうち3人が女優でたいへん芸達者ではあったけれども、あれは全員男優の方が良かったのでは。

 実力と魅力が備わったメンバーが集結したからこその充実した舞台だったが、このような企画が定期的にあったらと思った。この企画に出ることが、役者にとって栄誉やステイタスだというレベルになり、これを目指して役者たちが研鑽を積むようになったらいい。参加できればふだん自分たちの劇団ではできないような舞台を創れるし、異劇団のメンバーとのジャンル・年齢・経験を越えた交流と刺激を得ることができる。それが役者たちの意識を高め、実力を育てていくはずだ。実際今回の舞台を見て、次回またあったら自分も出たいと思った役者は多いのではないだろうか。作品も有名な古典を選んだことで、幅広い観客にも楽しんでもらえただろう。若い演劇人に、古典や名作に取り組む場を与えるのも非常に意義のあることだと思う。このような企画の今後の継続と発展を、一観客としても期待したい。

 舞台のラスト、役者が全員登場して「お気に召さずばただ夢を、見たと思ってお許しを」という有名な口上を述べると、一気にシェイクスピアの香りが漂う。その直後、「よォーッ」と一本締めの構え。観客全員が忘れずに一緒に手を叩き、舞台はその拍手(クラップ)とともにフッと消えてしまった。朝になり夢が終わるように、幸せで華やかな余韻を残して。
                                                    【終】



この劇評は、九州・福岡演劇祭劇評賞に応募して、入賞いたしました。
選者・扇田昭彦先生からの評をいただきましたので、併せて掲載しておきます。
詳しくは公式サイトへ
 → http://10kinen.info/pr_works/critic.php


(選評)
村山さんの文章は、内容的により突っ込んだ劇評です。衣裳に詳しく触れ、俳優たちの演技を論じ、部分的に批判も加えています。今回の公演の意義をきちんと語っているのも評価できます。ヒポリタの人物像の変化については具体的に触れていませんが、「セリフやテンポは現代的にうまく脚色」という表現がそれを暗示しているのかもしれません。ただし、この劇評の弱点は、舞台作りの中心である「演出」にまったく触れていないことです(文中に演出家・後藤香さんの名前も出てきません)。




 

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