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エスパーの集まる喫茶店へようこそ!
2010.03.03 Wednesday 22:20
JUGEMテーマ:演劇・舞台


ヨーロッパ企画 「曲がれ!スプーン」
           日時: 2010年2月14日  13:00〜   場所:イムズホール
                                                 村山雅子


  とにかく楽しい。とぼけた登場人物たち。不測の事態に対する必死さとダメダメ加減。シチュエーション・コメディのお手本のような作品だ。

『冬のユリゲラー』という題で2000年に初演された作品を、映画化(監督:本広克行、主演:長澤まさみ)に伴って『曲がれ!スプーン』と改題。今回で4度目の再演だそうだが、人気作品なのもうなずける。

舞台はクラシカルな喫茶店内。店の名前は「カフェ・ド・念力」。この店名に惹かれて、超能力を持った客が数人常連となっている。彼らは普段は素性を知られないようにしているが、今日はエスパーだけが集まってパーティーをするクリスマスの夜だ。それぞれが超能力を披露する中、実は超能力を持たない一般人が1人紛れ込んでいることがわかる。うろたえるエスパーたち。しかもそこへ、インチキ超能力番組「あすなろサイキック」の取材までやって来る。彼らの超能力はスクープされてしまうのか!?

彼らがエスパーだという設定を知った時点で、どんな能力をどれくらい持っているんだろうという観客側のワクワク感が味方となる。その好奇心を飽きさせない展開と、役者陣の味。しかも冴えない面々が、ちょっとだけそれらしいことができる、という中途半端さがまたおかしさをかもし出す。

超能力は、チマチマした小技の人もいるのだが、物(しかも相当大きな物)を動かすことができるとか、時間を止めるという大技を持つ人もいたりすることで、閉めきった喫茶店の中という狭い空間での話が、なんとなく四次元的広がりがあるような感覚に。

物を移動するサイコキネシスが使えるのは、河岡(諏訪 雅)。自分では制御不能なほどの力を持つという。気に入らない相手にパワーを送り、座っている椅子ごと引っくり返してしまう。そんなの、椅子に座っている役者が自分でゆっくり倒れているだけなのだが、わかっていても本当に超能力で倒されたように見えて愉しい。

また、テレポーテーションが使えるという小山(本多力)は、時間を5秒くらい止めてその間に自分が移動する、ということなのだが、時間を止めるといっても5秒くらいでは他に何もできない。取材に来ていたテレビ局ADの上着を取って来いと言われて時間を止めるが、行く途中でコケて何もしないで戻ってくる。まるでコントである。

1人、エスパーではないのに、来店したためエスパーと間違われた男(永野宗典)。彼は細男(ほそおとこ)と称し、どんな細い所でも通り抜けられる超能力者だと言うが、実は身体が細身なだけのインチキ。この細男を永野が熱演。最初のイキがり方、その後のいじめられ方、超能力のかけられ方など、身体を張った演技でいきいきと躍動する。弱気な役がよく似合う永野の、本領発揮といったところか。

この劇団の初期の勢いを感じさせる、上質なコメディだ。設定の面白さ、展開の軽妙さ、テンポの良さで、観客は難なく芝居に引き込まれ、身体も頭も預けて遠慮なく楽しめる。子どもの頃みたいに、タネや仕掛けを考えずに目をキラキラさせて手品を見る感じ。そして、ただおかしくて素直に「アハハッ」と笑ってしまう。「あーおもしろかった!」とスッキリした幸せな気分で劇場を出て、思いだしては愉快な気持ちになる。こんな観後感の作品には久しぶりに出会った。

                                                                                                                     【終】
| MM(村山雅子) | 劇評 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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