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受賞後の作品ということで期待しました
2009.12.27 Sunday 22:44
JUGEMテーマ:演劇・舞台
 
  
  
劇団 爆走蝸牛  「砂の楽園」
                  
日時:2009年12月5日 14:00〜  場所:甘棠館Show劇場

村山雅子



 舞台は両側を客席に挟まれているかたちで、客席との間は透明なアクリル板数枚で仕切られており、水族館の水槽の中でも覗くような気分である。水槽様舞台の中には砂が敷き詰められている。簡素な机と数脚のパイプ椅子。壁にはホワイトボード。部屋の隅にはピンクの公衆電話。会社の会議室のような空間である(舞台装置:岡田一志)。作業員風の男数人が出たり入ったり。砂漠監視隊のメンバーだという。水道管を直したり、報告書を書いたりの仕事もするが、ここは休憩室のようで皆自由にくつろぐことが多い。しかしその行動はどこかちぐはぐだ。トランプをしても、実はみんな違うゲームだと思っていたことが途中でわかり混乱する。アサガオを育てようとする2人が、何日も何往復も土や水を運ぶ。部屋の中のある1ヵ所だけ声がおかしくなるといって、順番にそこで声を出してみる・・・。

みんなどこか妙なところ、ひっかかる部分があるが、「変だな」と思いながらも掘り下げることはしない。ちょっとしたことばに苛立ち、かなりの剣幕で怒ったりするが、そのうち「どうでもいいじゃん」的に収束。ホワイトボードに延々と絵を描くが、何のためらいもなく一気に消してしまう。そこに描いてあったことも、意味があったのかなかったのか、それには触れずに消してしまうので、よくわからない。まるで積み上げても積み上げても風が崩して(なら)してしまう砂山のように、すべては消えて(あるいは消して)なくなってしまう。

では何のために砂山を作るがごとき日々を送るのか。それすらも「ただなんとなく」「そこにいなければならないから」としか言えないかのように、日々刻々むなしいことを繰り返す。いつまで続くのかもわからないままに。

たった1つ結果をもたらした努力、それはついに咲いたアサガオの花であった―――。

 

爆走蝸牛は5月のFFAC企画 創作コンペティションで、審査員賞・観客賞ともにグランプリを取った劇団。その時は既存の古典脚本に対する独特なアプローチと、理解しやすく面白い作品に仕上げたことに、私も感心した。中嶋さとの演出には今後も注目だと、心の中でチェックを入れたが、コンペ後初の本公演となったこの作品はどうだったろうか。

今回は、中嶋本人が敬愛すると公言している、宮沢章夫の作品であった。 私は、宮沢本人演出のこの作品を見たわけではないので比較はできないが、その淡々とした作風を大切にするあまり、自分たちの色を付けることにやや躊躇したような印象を受けた。完成度は高く、細かいディテールも大事に作ってはあったが、冒険心に欠けていたような気がする。

途中「胴上げでもやってみよう」とメンバーが言い出し、ひとしきり盛り上がる所は良かった。あのくらいのボルテージのアップダウンが、途中もう少しあってもよかったのではないかと思う。

役者は男優ばかり7人。皆キャリアを感じさせる落ち着いた演技だった。中でも、監視隊に来てまだ日が浅いハセガワを手島曜が好演。新しく理解しがたいこの環境への戸惑いや混乱を、もっとも体現する役であった。また、一番若くてだらしない(と思われている)ノダを演じた吉田忠司も印象に残る。若者らしい、あまり何も考えていないような自然体でそこにいる風情が良かったが、また違う演技の舞台も見てみたいと思った。

来年の公演では宮沢章夫をドラマドクターに迎えるという爆走蝸牛。宮沢の雰囲気を継承するのもいいが、個人的には、宮沢も唸るような「中嶋色」で塗り替えた作品が見られることを期待したい。
                                                    【終】



個人的感想もよろしければ見にきてください
 「観世音寺シアター Main Hall 」  http://kanze-hall.jugem.jp/?eid=40

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2010/01/13 11:07 PM posted by: 観世音寺シアター  Main Hall
JUGEMテーマ:演劇・舞台(甘棠館Show劇場  12月5日(土)14:00 の回)作 宮沢章夫(遊園地再生事業団)演出 中嶋さと出演 岩井眞實(劇団アントンクルー)    手島 曜、 村上差斗志 (劇団爆走蝸牛)      美和哲三、 小塩泰史、 吉野一統、
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